ガンダムW 2×1 【雅姫同盟】

創作・二次創作を中心に活動していく「ガンダムW、2×1」同人娘2人の小説ブログです。 著作権は放棄していませんので、無断転載や複写・プリントアウトはご遠慮ください。


【雅姫同盟】サイト案内&ご挨拶

 
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 ここは、創作・二次創作「新機動戦記ガンダムW」「デュオ×ヒイロ」を中心に活動している同人娘2人の小説ブログです。”同人”や”BL”に抵抗のある方は、すぐにご退出ください。
 また、作品の原作者様や制作会社とは、まったく関係ございません。あくまでも個人のサイトであることをご理解ください。
 著作権は放棄していませんので、無断転載や複写・プリントアウトはお断りさせていただいております。生意気なようですが、よろしくお願いいたします。


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     ガンダムW 2×1の在庫本を通販しています。
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   ●ガンダムW 小説
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   ●お題に挑戦! 
     「Wで100のお題」ほか、多数のお題を消化中・・・・悪戦苦闘の日々。
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   ●頂き物&強奪品
     雅姫同盟がいただいたり奪った(汗)素敵な作家様の作品紹介。
     小説あり、イラストあり、ゆっくりご堪能くださいませ。

   ●綾雅日記 & ●ユイ猫日記

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モノかきさんに100のお題

 
Wで100のお題 / 雅姫同盟あてのお題 / 拾い集めた10のお題


モノかきさんに100のお題

 お題の配布先: dream  ※お題の配布、ありがとうございます♪

     任務遂行したお題から、リンクします。
                         ★・・・裏サイト掲載(要パスワード)

  「こうして自分で苦労を背負い込んじゃうのよね・・・・汗」

   1、Are you ready?
   2、例えばそれは 
   3、雨の予感
   4、万華鏡
   5、手を伸ばせば
   6、決定事項
   7、花も嵐も踏み越えて  
   8、遠い日の記憶
   9、温室育ち
   10、チェックメイト



   11、毒見  
   12、前提条件  
   13、子猫の牙 
   14、過去の破片  
   15、花束  
   16、思考回路  new

   17、願い下げ
   18、夜の気配
   19、見解の相違
   20、知能犯



   21、人を愛するということ
   22、突然の停電
   23、透き通る蒼
   24、溜め息の理由
   25、春の陽だまり
   26、冷たい手
   27、理不尽な運命
   28、小宇宙
   29、悪い癖
   30、明日の予定



   31、中毒症状
   32、意地とハッタリ
   33、規則性
   34、エントランス
   35、自堕落な天使
   36、12月の向日葵
   37、ネバーランド
   38、夏の風物詩
   39、超鋭角的指摘
   40、コンプレックス



   41、餌付け
   42、雨の音    
   43、フラッシュバック
   44、雪月夜
   45、曖昧な境界線
   46、願わくば  
   47、夕方の色
   48、タブー
   49、性悪狐
   50、涙の跡



   51、25時間365日
   52、天文学的数字
   53、月明かり
   54、風化した幸福
   55、損な役割
   56、そこに居て
   57、精神安定剤
   58、タイミング
   59、取扱説明書
   60、夏の午後



   61、手負いの獣
   62、遠い潮騒
   63、柑橘系   
   64、無邪気な声
   65、過去の人
   66、梅雨明け
   67、生返事
   68、特別な存在
   69、徒花(あだばな)
   70、番狂わせ



   71、一瞬の眩暈
   72、夜風
   73、幸福な関係
   74、実験用マウス
   75、利用価値
   76、蝶よ花よ、と
   77、涙雨
   78、似たもの同士
   79、正装
   80、雨上がりの空




   81、日常のすぐ隣
   82、罪悪感
   83、永遠が終わる時
   84、時を越えて
   85、甘い眠気
   86、捨て駒
   87、悪夢
   88、花明かり
   89、軽口の応酬
   90、極彩色の夢



   91、夜の使い道
   92、伏線
   93、幸せの代償
   94、昼下がりの風景
   95、カミサマ
   96、花の降る場所
   97、完結した世界
   98、その涙の意味は
   99、夢の続き
   100、さよならのあり方を・・・



Wで100のお題 / 雅姫同盟あてのお題 / 拾い集めた10のお題



16.思考回路

 天使ウリエルが神の炎を司るなら、それは何を指し示しているだろう。炎という表現に悩み、暮れ始めた空を見上げる。薄暗くなりつつある空は、普段よりも黒かった。灰色の雲が多い尽くした天で、稲妻が光る。少し遅れて轟いた雷鳴に、ヒイロの目は釘付けになった。
「・・・雷鳴(かみなり)は天の剣である」
 聞いたことがある文章が口をついて出る。これが神の炎を表すとしたら、ゴフェルは木―――雷が落ちた木が手がかりだろう。そこまで解読して、慌ててデュオの資料を引っ張り出した。
 すでに暗記している資料に、焼け焦げた建物の写真が挟まっている。彼の実家であり、母親を殺した翌日に落雷があって、この家は燃え尽きた。消防が間に合わず、全焼した”ゴフェル”。
 外は激しい雨が降り始めていた。資料を手早くクリアファイルに挟み、濡れないようにバッグへ放り込む。土砂降りの雨の中、ヒイロは車へ向かって走り出した。

 訪れた家の跡は、痛々しい姿のカケラもなかった。建物の残骸は片付けられ、土台であった石が残されている。その少し先に、花々が自生していた。どうやら、花壇の花であったらしい。人の手が入らない花壇であっても、彼らは必死に生きていたのだ。端に立つ2m前後の木に近寄れば、小粒の実がなっていた。
 見回せば、案の定もう1本同じ木が植わっている。オリーブは自らのDNAで自家受粉しない。すなわち、別の木がなければ実をつけないのだ。2本の木を交互に見つめるヒイロは、離れた位置にある白い石に目を留めた。
 オリーブに寄り添う鳩・・・・鳩は一般的に白い動物だ。野鳩はグレーであることが多いが、基本的にイメージされる色は白が多い。その白い石に吸い寄せられるように近づいたヒイロの体を、雨は容赦なく濡らした。びしょ濡れの髪を掻き上げたヒイロの視界を、淡いオレンジ色の光が染める。
 夕暮れの陽射しが、雲間から差し込んでいるらしい。
 キーワードにあった虹を思い出し、白い石に腰掛けた瞬間―――ヒイロは声をあげた。見開いた目に映るのは、2本の木の間に置かれた木製のベンチだ。普通に見たのでは気づけない低い位置に、不自然な箱が顔を覗かせていた。
 白い石に座ったからこそ見えた箱へ、はやる気持ちを抑えながら歩み寄る。箱に絡まった周囲の草を引き千切るヒイロの手に、三つ葉が舞い散った。すべての符号が一致する箱に填められた錠へ、ポケットから取り出した鍵を差し込む。
 カチッ・・・乾いた音を立てた鍵は、放置されていた長い時間を巻き戻すようにあっさり開いた。
 中は―――空(から)だった。いや、正確には違う。小さな白い破片が2つだけ落ちている。
「何だ?」
 摘み上げてみるが、心当たりがない。だが箱は空間を残すのみで、他に何も入っていなかった。

 木製の箱を入れたダンボールを抱え、訪れたヒイロに、デュオは手を叩いて喜んだ。
「さすがだ、見つけてくれるとはね。中に白い破片があっただろう?」
 青紫の瞳を細めて笑う彼が望むまま、破片を取り出す。2つ見せれば、彼の表情は曇った。それは一瞬の変化で、すぐに元の笑みを張り付かせてしまう。
 だがヒイロは、それがデュオの見せた初めての本心だと確信した。今までの感情豊かな彼は作り物だったと考えれば、納得できてしまう。
「必要か?」
 欲しいのかと尋ねれば、素直に頷く。強く握れば崩れてしまいそうな、繊細なカケラに価値を見出せないヒイロは、鉄格子の扉を潜ってデュオに近づいた。
「ヒイロの質問に嘘はなしで5つまで答えよう」
 嫣然と笑う死刑囚が左手を差し出す。迷って、片方だけ掌へ置いた。不満を口にするかと思ったが、彼は満足そうに溜め息をついた。
「これが何か、わかるか?」
「いや・・・」
「人骨だ」
 殺した人間の? だが、彼が殺した死体に欠けはなかったと聞いている。ならば・・・・尋ねようとして、ヒイロは口を噤んだ。彼は5つの質問まで答えると言った。限られたチャンスを、無駄に使うことは避けたい。無言を通したヒイロに、デュオはひとつ頷いて口を開いた。
「オレは、ヒイロのそういう賢いトコが好きだぜ」
 チャラけた口調と反対に、愛しそうに白骨らしき破片を見つめる。
「解読したってことは、ノアの方舟を調べただろう。虹の記述を覚えているか?」
 頷いたヒイロの蒼い瞳を見て、デュオは再びカケラに目を落とした。指先で擦る姿は、労わるような優しさを感じさせる。その姿に苛立ちを感じてしまったヒイロは、己の心に眉を顰めた。
 なぜ、こんなに苛立つのか。
「神は焼き尽くす生贄を捧げられ、もう大洪水は起こさないと契約した後に虹をかけたという。つまり、虹は犠牲の証だ」
 語り続けるデュオが、部屋の中を移動する。その右手にかかる手錠と鎖が、乾いた音を立てた。鎖の金属音に安堵を覚え、破片への彼の優しい扱いに苛立つ。自分が分からなくなりそうで、ヒイロは唇を噛んだ。

                                         To Be Continued....



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15.花束

 手にした銀色の鍵は、何も手がかりのない物だった。ロッカーの鍵にしては古めかしいデザインで、摘み部分がクローバーのような形をしている。見た目は古く感じるのに、材質の銀に硫化は見られなかった。その事実から、最近作られたものだと推測できる。
 ヒントになりそうな刻印などは見当たらず、ヒイロは溜め息をついた。
 どこに使われる鍵で、どんな意味を持つのか。まったく見当がつかない。癪に触るが、素直にデュオに尋ねた方がいいかも知れないな・・・・そう思って鍵を机に放り出せば、チャリンと金属の触れ合う音がした。
 視線の先には、先ほどの鍵とネクタイピン―――砒素毒で濁った色を晒すピンを見るうちに、ふと気づく。
「銀・・・・」
 デュオは何と言った?
”秘密は危険だから、気をつけてな”
 甦った言葉を噛み砕く。危険な方法でしか秘密には近づけない。その危険が、砒素を指しているとしたら? 毒に触れさせることで秘密に近づける可能性があった。
 慌てて立ち上がると、客員教授の籍を置く大学へ向かう。硫化して黒ずんだネクタイピンと、ぴかぴかに光を反射する鍵を握ったまま、化学準備室から研究用に保管している砒素の粉末を引っ張り出した。スプーンに掬った粉末を水に溶かし、その中へ鍵を沈める。
 見る間に黒ずんでいく鍵の表面に、模様が浮かび上がった。だんだんと色濃くなる模様を見つめ、完全に読み取れる状態になった銀を取り出す。ピンセットに摘まれた鍵は、元の美しい姿が嘘のように濁っていた。
「・・・読みづらいな」
 文字が浮き出ているのだが、飾り文字のようで判別がしづらい。その上、ひどく小さな文字だった。見回した先で顕微鏡を見つけ、10倍のルーペをセットして解読を始める。
”アルスヤラルユルは、ゴフェルを授けた”
”オリーブの葉に寄り添う鳩が虹をくぐる”
 意味不明な2行を脳裏に焼きつけ、ヒイロはさらに鍵を調べるが何も見つからなかった。
「アルスヤラルユル―――確か、天使の名だったか?」
 宗教に興味がないヒイロだが、さすがに一般教養としての知識はあった。すぐに創世記を思い浮かべたのは、デュオとの会話が原因だ。彼はカインとアベルの話をした。それは創世記4章に記された、キリスト教やユダヤ教の教えのひとつ。
 器具を片付けたヒイロは、部屋の管理者に礼を言うと早々に図書館へ移動した。宗教関係の書物は豊富で、本棚に大量にストックされている。その中から創世記に関する書物を3冊ほど手に取って、記憶した天使の名を探し始めた。
 アルスヤラルユル、別名ウリエル。智天使(ケルビム)であり、また熾天使(セラフィム)であったとも言われている。神の炎を司る大天使であり、四大天使の1人と称されることもあった。
 各書物の大まかな表記を読み流したヒイロは、ゴフェルを調べる。だが、ノアの方舟を作った木だという以上の情報は得られなかった。それがどのような木で、現在は何という木であるのか。どんなに本を調べても出ていないことに、ひどく落胆する。
 残るキーワードは、オリーブの葉に寄り添う鳩と虹―――両方ともノアの方舟に関するものだ。沈んだ地上から水が引いたか確認する為に鳩を放ち、鳩は3回目にしてオリーブの葉を持ち帰った。そして虹は大洪水を起こさないという契約の証・・・・・・。
 そこまで考えて、ヒイロは何かを見落としている自分に気づいた。取り出した手帳に、鍵から読み取った文章を記し、その下に調べた内容を並べる。隣に鍵を置いて見つめるが、どうしてもわからなかった。
 ちょうど学生達が増え始める時間ということもあり、図書館がざわめき始める。人の気配を煩わしく感じたヒイロは、諦めて本を戻すと岐路に着いた。

 自宅の前で、ヒイロは目を見開く。
 蒼い瞳に映ったのは、大きな花束だった。玄関脇に立てかけるように置かれた花束は、白百合。両手で抱えるのがやっとの花束を覗き込めば、隠すようにして1枚のカードが入っていた。
”親愛なる管理人へ
   鍵の形と意味を忘れないで   Dより”
 彼は監視されている筈だ。花束を贈る手段も、時間も与えられるわけがないのに・・・・。それでも、間違いなく彼の直筆によるカードだと思った。デュオの字を見たことはない。EとLが右上がりの癖が目立つ文字は、鍵に記されていた文字に似ている。
 部屋の中に入り、花束をソファに放り出した。胸ポケットから取り出した鍵を、再び机の上に置いて見つめる。鍵の形は三つ葉に酷似している。鍵は”財産の管理人”の象徴だった。鍵により結界を生成したり解除したりするので、簡単な魔除けに使ったという話を聞いたことがある。
 振り返った先で揺れる百合は白い。聖母マリアを象徴する花から、キリスト教に繋がるヒントだと思われた。デュオがヒイロを気に入っているという言葉は、本心かも知れない。
 クローバーは、ガラス瓶の緩衝材として使われたことから”ツメクサ”と呼ばれていた。持ち上げた花束から落ちた小さな花は、シロツメクサ―――。すべてが繋がっていく。導かれるままに、ヒイロは複数のキーワードが示す秘密へ近づこうとしていた。

                                         To Be Continued....



【14】  |  モノかきさんに100のお題  |  【16】


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14.過去の破片

 必要以上に近づくことはないが、ヒイロは鉄格子の内側でデュオと対面することを選んだ。持ち込ませた椅子に座り、機嫌の良さそうな青年を見つめる。
「今日は何を聞きに来た?」
 答えてやろう。そんな傲慢な口調で尋ねるデュオが、腰掛けたベッドの端で両手を組んだ。左手の親指の背を右親指で撫で擦る仕草は、どうやらご機嫌な時の癖らしい。目を細めて笑う表情は、その瞳の暗い影がなければ好印象を与えるだろう。
「答える気があるのか?」
 質問へ質問で返したヒイロに、彼は肩を竦めてみせた。
「殺害動機以外なら・・・答えてもいいけど」
 この時点で、ヒイロが一番知りたい動機は封印されてしまった。見透かして楽しむデュオは、ヒイロが持ち出す条件や質問を大人しく待つ。溜め息をついたヒイロの指が、手にしているバインダーの縁を撫ぜた。どうしようか・・・考え込んでいるヒイロの癖を見咎め、デュオは勝手に喋りだす。
「人はどうして殺人を犯すか。そして人殺しが忌避される理由は・・・考えたことあるか? キリスト教の創世記に、カインがアベルを殺したことが原罪であり、最初の嘘となり殺人であったと記されている。動物は互いに殺し合う事が許され、人間には許されない。人は生殖や生存に必要のない欲を持ち、他者を貶めて己の優位を誇示する生き物だ。こんな愚かな生き物が互いを殺し合うなら、それこそが神の御意思だろう」
 饒舌に語るデュオがうっとり目を閉じる。すぐ近くにいる看守も、ヒイロの存在も、監視カメラすら忘れたように・・・・。
「神を信じるのか? お前が・・・」
 否定する響きを耳にして、デュオは青紫の瞳を開いた。真っ直ぐにヒイロの蒼い目を見つめ返すと、大げさなジェスチャーで嘆いてみせる。
「神を信じるか、だって? そんな陳腐な話がしたい訳じゃない。ヒイロ、オレの期待を裏切らないでくれ」
 何かに気づいて唇を噛んだヒイロへ、ゆっくりデュオが頷く。やっと気づいてくれた・・・そんな表情は、大人が子供に何かを諭す様に似ていた。
「人殺しが原罪ならば、お前の罪は何だ?」
「そうだな・・強いて言うなら、怠惰」
 言葉遊びでしかない。そう判断して切り上げればいいのに、ヒイロはデュオの唇が紡ぎ出す言葉に意識を奪われていた。
「だが、怠惰を責められるとしたらヒイロも同じだろう? 出来るのにやらないのは、罪なのだそうだが・・」
 人に言われたような表現を使うデュオに、意外な感じがしてヒイロは目を瞬かせた。他人の意見に左右されたり、従う男には見えない。誰に言われたのだろう・・・気になって前髪を掻き上げた。それは興味を惹かれる物を見つけたときに出る仕草だ。
 殺人鬼として死んだ公式記録を持つ男が語り出した、小さな過去の破片たち。その続きが知りたくて、湧き上がる好奇心を押さえきれずに尋ねた。
「・・・断罪したのは誰だ?」
 くつくつ喉を震わせて笑うデュオが、口元に人差し指を立てて”シィ”と子供じみた仕草でおどける。
「母親や神父様じゃないのは、確かだね」
 それ以上は言わないよ。
「秘密の多い男だな」
 腹立ち紛れに吐き捨てた言葉に、デュオは何やら興味を惹かれたらしい。ヒイロへ手を差し出す。反射的に下へ伸ばした掌に、何か鍵が落ちてきた。
「やるよ。秘密のひとつだ」
 ご機嫌で踵を返したデュオが、枕元の本を拾い上げる。それが今日の終了の合図だった。会いに来る権利を持つのはヒイロなのに、切り上げる権利はいつでもデュオの側にある。不思議な関係はギブアンドテイクに似て、居心地は悪くなかった。
 凶器になる金属類は取り上げられている筈なのに、彼はどこに鍵を隠し持っていたのか。そして、そこまで大切に保管していた鍵をヒイロに渡す理由は? 
 手の中の小さな銀色の鍵を握り締め、ヒイロは無言で鉄格子の扉を潜った。
「秘密は危険だから、気をつけてな」
 忠告のつもりなのか。淡々と告げられた内容に、ヒイロは鍵をじっと見つめる。
「・・・わかった。又来る」
 いつもと同じセリフを口にしたヒイロを見送るデュオは、楽しそうに目を細めて三つ編みに触れた。

                                         To Be Continued....



【13】  |  モノかきさんに100のお題  |  【15】


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